Development journal
「眺めていたい村」ができるまで
2026年10月14日 · noteの制作記を公式サイト向けに再編集
江戸の小さな村で、誰かが田植えをし、子どもたちが遊ぶ。夕方には家に灯りがともり、季節が変われば人々が祭りに集まる。そんな風景を、仕事や休憩のそばに置いておきたい。江戸村の制作は、その思いから始まりました。
コードの作成や修正には、AIと対話しながら開発を進められるCodexを使いました。村でどんな時間を過ごしたいかを考え、画面を見て気になった点を伝えるのが私の役割でした。AIには実装と確認を頼み、動いたものを見ながら少しずつ直していきました。
朝に家を出て、夜に帰る。その暮らしから
最初に整理したのは、江戸の農村という舞台と、季節や天候の変化、村人の生活、祭りでした。ブラウザで遊べることや画面の配置も、仕様書にまとめて渡しました。
目指したのは、ふと画面を見ると、何かが起こっている村です。朝になれば人が家を出る。昼は働き、夜には帰っていく。まず、その一日の流れを作るところから始めました。
建物が増えると、暮らしも広がる
村づくりの方針は、最初から施設をそろえる形から、小さな集落を育てる形へ変わりました。収穫とともに家や田畑が増え、新しい人が集まる村にしたい。その過程も眺められるようにしたかったからです。
建築を始める条件、工事の進み方、住める人数を整理し、実装を頼みました。村人が現場へ通い、骨組みに屋根が付き、完成した家に人が入る。建物が増えることが、仕事や行き先の変化にもつながっていきました。

一人ひとりの仕草を足していく
村が動き始めると、今度は村人の生活が気になりました。釣りをする人、井戸端で話す人、茶屋でひと休みする人。猫をなでる、子どもが石けりをする、といった短い仕草も加えていきました。
家にも、住んでいる人の違いを出しました。農家には農具、漁師の家には漁具。年齢や季節によって、姿や服装も変わります。以前一緒に釣りをした相手と再会し、その思い出を話す仕組みも作りました。
村人は、実装したルールに沿って動きます。その中に小さな仕草や関係を重ねることで、ただ歩いている人から、暮らしている人へ近づけていきました。
見て気づいたことが、次の修正になる
一度で思いどおりになったわけではありません。花見の場面では、集まった人が桜から離れていて、どこを眺めているのか分かりにくいことがありました。そこで、桜を囲むようにござを置き、一枚に三人ほど座れる配置を頼みました。周囲で話す人も残し、集まりの様子を整えています。
集中時計も、時間を一つずつ入力する形から、コースを選ぶ形へ変えました。開始後は集中と休憩を自動で繰り返し、切り替えを通知音で知らせます。村を眺める楽しみを、仕事や勉強の時間にも使えるようにするための調整でした。
保存して開き直せるか、祭りが終わったら普段の暮らしへ戻るか、縦画面でも文字やボタンが収まるか。自動テストと画面の確認を組み合わせ、気づいたことを次の修正に使いました。仕様書を渡して終わりにせず、この往復を続けたことが制作の中心でした。
村の風景を、紹介動画へ
アプリが形になった後は、紹介動画にも取り組みました。実際のプレイ画面に、行事のBGM、VOICEVOXの四国めたんによるナレーション、字幕を組み合わせています。タイトルロゴは画像生成で作りました。
動画でも、説明していることと映像が合っているか、同じ場面が続いていないかを見直しました。釣りの説明には釣りの映像を、田植えには田植えの映像を。場面ごとの切り替えを整え、約27秒の紹介映像に仕上げました。
音の制作では、BGMにGemini、効果音に効果音ラボの素材を使いました。村の姿だけでなく、聞こえてくる音も含めて、そばに置いておきたい風景を目指しています。
見たい場面を、一つずつ
「もう少し明るく」「ここに座ってほしい」。画面を見ながら伝えた小さな要望が、次の修正につながりました。
江戸村は、眺めながら気づいたことを重ねてできた作品です。気になる村人を追いかけたり、季節の集まりを見たり、集中時計を仕事のお供にしたり。それぞれの過ごし方で、この小さな里を楽しんでいただけたらうれしいです。
制作当時の経緯をまとめた記録です。現在の機能や遊び方は作品ページをご覧ください。